2008年01月23日

槻折神社の波兎?

鳥取市生山にある槻折(つきおり)神社本殿に施された波兎(?)の彫刻です。耳があまり長くないのでちょっと自信がありません。本当にウサギでしょうか。
 神社の祭神は大山祇命です。拝殿前には鹿のブロンズ像が奉納されており、春日大社との関連があるのかとも思いましたが、その由来は良く分かりません。 
 神社の場所を探すのに苦労していたら、地元の方がご丁寧にも神社まで案内してくださいました。ありがとうございます。
 

槻折波ウサギ

















槻折 波兎
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2008年01月13日

天照大神の御製

 平成20年1月13日加筆
 すでに『八上 神秘の白兎と天照大神伝承』で紹介している八上に伝わる天照大神の御製といわれる和歌と非常に類似した和歌があることが判明しました。
神話、古代史および和歌に造詣の深い筆者の知人から情報を頂戴しました。この場を借りてあらためてお礼申し上げます。

 万葉集第十巻2315

 原文はもちろん万葉仮名であり、読み方には様々なバリエーションが生じる可能性があります。上記リンク先に原文も紹介されています。
 柿本人麻呂歌集にある読み人知らずの和歌です。
 『大言海』という書の「しらがし」の項にも掲載されています。
 
 あしひきの山道も知らず
    白橿の枝もとををに 
         雪の降れれば
 
 八上に伝わる天照大神の御製はこれと全く同じではありませんが、おそらく、いずれかの和歌が記録される際に多少不正確になりながらも伝承されていったのでしょう。
土屋文明氏『万葉集私注』によればこの和歌の大意は
「アシヒキノ(枕詞)山道も分からない。白樫の枝もたわたわに雪が降ったから。」と記されています。
 あらためて八上に伝わる御製を紹介します。
 
 あしひきのやまへはゆかじ
    しらかしのすえもたははに
           ゆきのふれしば 

 
 私たちが現在高校で学んでいる古典文法は、平安時代のそれを基礎としており、語法も、それ以前とは異なったものもあった可能性もあると思われます。 
平安の古典文法では、確かに万葉集に紹介されているように「雪の降れれば」というふうに、「ば」という助詞に接続する完了の助動詞「り」の已然形が四段活用の動詞「降る」の已然形に接続しているのが妥当でしょう。
 過去の助動詞「き」の連体形「し」は、上には連用形動詞がつながります。
 しかし、上古においては異なっていたのかも知れません。ですから、八上に伝わる和歌が正式な和歌の訛伝であるという即断は避けたほうがよいでしょう。むしろ古来の表現法をそのまま伝承した、といえる可能性もあるかもしれないからです。 
 柿本人麻呂の生涯、特にその晩年は藤原氏との拮抗もうわさされており、謎に包まれていますが、どうやらこのあたりの事情が関係しているのではないでしょうか。
 すなわち、柿本人麻呂は万葉集に、古来より伝わる天照大神をはじめとする神々によって詠まれた数々の和歌を紹介しようとしたのではないでしょうか。それが結果として、詠み人知らずとして、万葉集に編纂されたと、筆者は推測します。筆者は残念ながら、万葉集の詳細に明るくないのですが、まつりごとと密接に関連性を持った万葉集の和歌、とりわけ詠み人知らずとされているものの中には、神話時代の神々の思いや、政治的諸関係を読み解く大きなヒントになるものが多く含まれているのではないかと思います。
 もうひとつ。「しらかし」とは現在の奈良県橿原市の旧名であったこと(現在も白橿:しらかしの地名が残っています。)も古代の都が、どれくらいの期間かは不明ですが、一時的にせよ、八上にあったことを示す根拠といえるかもしれません。橿原市は神武天皇の即位された場所です。
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2008年01月04日

元伊勢内宮の瀬織津姫

 本年も宜しくお願い申し上げます。
元伊勢内宮に初詣に行った折りに、最近ずっと気になっていた瀬織津姫との関わりについて調べてみました。
 ネット検索ではこの元伊勢内宮に瀬織津姫が祀られているという事実は発見することはできていませんでした。しかし、ここには80社以上もの摂社が本殿境内地をぐるりと囲んでおり、筆者はもしや、という思いで、今回はすべての摂社をお参りしました。本殿境内は、黒木鳥居をくぐって、向かって右側に拝殿、その後ろに天照大神を祀る本殿が鎮座しています。そしてその左側には龍灯の杉と呼ばれる樹齢2000年近い杉の巨木が聳え立ち、そのまた左側には、ちょうど本殿がもう一つそこに鎮座できるくらいのスペースが空いています。筆者は、このスペースは伊勢神宮の20年ごとの遷宮がこの元伊勢の地においても行われていたことの名残であるのだろうと思っていました。
 ただし、かつては実施されていたかもしれない遷宮地としての、本殿社地の土台の姿はいまは見られません。
 境内地の形としては、少し不自然な感がしないでもありません。
 本殿を囲む摂社は、古くから鎮座していたということは元伊勢内宮の神職の方から聞いておりました。以前は独立した形ではなく、ちょうど全国から神々が集まるといわれる出雲大社の本殿を囲う摂社群と同様、長屋形式であったそうです。
 いつから現在のような配列になったかは不明ですが、驚くべき事実が判明しました。
 なんと本殿の奥に位置する摂社は瀬織津姫祭祀と関連する和歌山の日前国懸(ひのくま・くにかかす)神宮(三重の瀧原宮同様、同じ社殿が並んでおり、一説に天照大神と瀬織津姫を祀るといわれています。)由来の日前神社、三重の瀧原宮由来の瀧原神社が鎮座しています。これら2社は本殿奥のやや左側、すなわち、空き地に近い位置に鎮座しています。その右隣に伊佐奈美神社、伊佐奈義神社があり、そしてその横に、伊勢内宮の別宮荒祭宮由来の荒祭神社があります。それはまた、ちょうど本殿の中心部の奥に鎮座しているのです。荒祭宮は伊勢神道においては瀬織津姫を祀る第一の別宮と位置づけられています。
また、本殿右側には手力雄命を祀る社があり、、左側にはタクハタチジ姫を祀る社がありますが、ちょうどそのタクハタチジ姫の社の左斜め前方に熊野神社が鎮座しています。熊野といえば、イザナギ、イザナミノミコト、スサノヲノミコトを祀っていますが、熊野那智大社では、あの那智の滝自身をご神体とする信仰があり、飛瀧神社と呼ばれています。祭神は大国主命ともいわれますが、やはり、滝の神として祀られていて自然なのは、瀬織津姫です。
 すると、熊野神社の祭神も瀬織津姫である可能性があります。
 
 筆者はここで大胆な推論を立てました。
本殿境内地には元々、瀧原宮のように現在の本殿と同じ規模の社殿が空き地となっている場所に立ち並んでいた。そして、瀬織津姫と天照大神がこの二つの社に祀られていたのではないでしょうか。
 ところが、瀬織津姫を全国の神社から抹消するという事態が起こったことがうかがわれる形跡があることは以前述べたとおりで、この元伊勢内宮においても同様のことがなされたのではないでしょうか。
 いったん瀬織津姫の祭祀ができなくなった状態から、ひそかに祭祀を復活させようと、境内地の周りを多くの摂社で囲み、そこに瀬織津姫を祀ったのではないでしょうか。
 八上の、瀬織津姫を祀る神社の位置関係が、天照大神を祀る神社や行宮の地と、密接に関わっていることを紹介しましたが、あらためて確認しておきます。
 天照大神の行宮の地、霊石山伊勢が平の真東に福本の白兎神社、賀茂神社をはさんで、瀬織津姫を祀る私都(きさいち)の花原神社が位置しています。(大江町の元伊勢の南東方向のすぐ近くにも私市(きさいち)の地名が残っていることにも注目です。)
 天照大神を祀る旧船岡町大江の赤倉神社と関連性のある大江神社にかつて存在した30以上もの摂社の中に、瀬織津姫を祀る社がありました。これほど多くの摂社を擁する神社は因幡でダントツだった事でしょう。(現在は本殿にすべて合祀され、摂社はほとんどなくなっています。これも将来的には元のように復元されるとよいと思います。)
 赤倉神社のちょうど南方に位置する虫井神社は現在も瀬織津姫を主祭神としているかなり格式のある社です。
 八上におけるこのような神社、祭神の祭祀には大江氏が大きく関わっていました。
 そして、元伊勢内宮のある場所も大江という地名です。その大江の名は、近くを流れる由良川から来ているという説もあるそうですが、大江の発祥の可能性もなきにしもあらずです。いずれにせよ大江氏と関連のある場所です。(これほどの由緒と規模を持ちながらも元伊勢内宮は式内社ではありません。その理由も以前述べたとおりです。)
 やはり、大江氏は、抹消された瀬織津姫の復権を密かに実行して、本来の祭祀を守ろうとしていたのではないかと思われます。その形跡が八上でもこの元伊勢でも存在しているといえそうです。
 
 この点では、伊勢神道を掲げた外宮神官渡会氏と立場を同じくするといってもよいでしょう。
 菅原道真公も外宮、および渡会氏とは非常に密接なつながりを持っていました。菅原道真公はご誕生の際に外宮に祈願し、ご生誕後は外宮神官渡会春彦氏が道真公の生涯にわたってお世話をされました。
 
posted by yakamihakuto at 23:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 元伊勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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